くま's倶楽部 車椅子でも行ける旅 Act.4(2002.8.3作成 2006.9.8修正)

北欧ノルウェー 白夜とフィヨルド
ロフォーテンの船宿(ロルブー)にステイする旅
2002.6.4〜11

世界中のカメラマンの憧れの地ロフォーテン...そこは、
神話が生まれてくるのが当然のような美しい世界でした。

☆スケジュール
1日目:成田発11:55(SK984)16:25コペンハーゲン
     コペンハーゲン18:25(SK472)19:30オスロ
     オスロ22:40(BU077)0:10ボードー 
                       ●ボードー泊
2日目:ボードー市内観光後、船でスヴォルヴァールへ
     ボードー15:00=21:00スボルバー
                       ●スヴォルヴァール泊
3日目:市内観光           ●スヴォルヴァール泊
4日目:バスで自由観光        ●スヴォルヴァール泊
5日目:スボルバー9:05(WF803)9:30ボードー
    (ボードー市内観光)ボードー12:30(SK345)13:55オスロ
     オスロ自由観光         ●オスロ泊
6日目:オスロ自由観光        ●オスロ泊
7日目:オスロ13:25(SK465)14:35コペンハーゲン
     コペンハーゲン15:40(SK983)
8日目:成田09:30着

☆使用航空会社:SASスカンジナビア航空その他
☆宿泊: ・ボードー(Radisson SAS Hotel Bodo)
       ・スヴォルヴァール(船宿Tyskhella Rorbuferie)
       ・オスロ(Radisson SAS Park Hotel, Oslo)
☆参加費:360,000円

 

  車椅子使用者1人、全盲者1人、計9人ではじまった今回の旅。インターネットで募集している関係もあって初めてお目にかかる方が4人もいました。でも、みんな仲良く旅の始まりです。
  上の写真はロフォーテンで撮影した全体写真、左はボードーに到着する飛行機からのフィヨルドの写真です。まるで月の写真のようですが、時間は0:00、白夜の幕開けです。

  ボードー(Bodo)は港町です。小さな船が沢山係留されていて、なかなか風情があります。船は美しい木造船が多く、日本では廃れてしまった技術が、北欧で息づいていることがうれしく感じました。
  奥にそびえるのがSASホテル。町が一望できるだけではなく、晴れた日にはロフォーテンまで見えるそうです。ちなみに空港とフェリー乗り場はそれぞれ徒歩15分です。

  さすが日本のヤンマーディーゼル!こんなところで看板を見つけました(^^
  港に付けている船が、ゆでた海老を売っていました。直径15cm×20cmぐらいの一缶で50クローネですが、なぜか2杯くれたよ(^^
  これを買って堤防のレストランでビールをもらってみんなで呑みました。おいしかった〜。はっきり言って、食べきれません。おじさん、ありがとう。

  港で買った海老です。結構うまいです。

  右の写真はボードーの商店街の中心かな??おしゃれなクリスタルシティーです。
  北欧の冬を乗り切るための知恵ですね。ガラス張りの通りの中に、3階建ての商店街が入っています。こじんまりとした空間ですが、なかなかの品揃えで、ノルウェーの生活水準の高さがうかがえます。

  ボードーから、ロフォーテン諸島のスボルバー(Svolvaer)へ、船で6時間かけて移動します。
  到着は夜の9時。当然白夜ですから明るいです。
  スボルバーは切り立った山々に小さな教会が美しい町で、あちこちにタラの干物が干されている、なんだか懐かしい風景が残っていました。

  滞在したのは、スボルバーから車で10分弱のKabelvagという小さな町(写真左)にあるロルブー(船宿、写真右)に泊まりました。宿の名はTyskhella Rorbuferieアパートメント方式の宿です。私たちのような団体が、このような宿に泊まるのは無謀にも見えましたが、泊まってみると意外と快適です。

  部屋の中はこんな感じで木の香がしていい感じ(^^ 二段ベットなので、4人部屋を二人で使うのがベストね。冷蔵庫やオーブンなど、必要にして最低限のものはそろっています。
  小さいながらも何軒かのスーパーがあり、その中には郵便局もあります。バーやホテル、レストランまであります。のんびりするにはいいところですね。

  タクシーを一台チャーターして観光です。現地の観光協会が、気を利かせてリフト付きのタクシーを用意してくれました。タクシーって言っても、20人ぐらい乗れるんだけどね。
  この日は地元原住民のミュージアムに行きました。水族館なんかも併設されているのですが、とにかく小さい(^^ 私たちはこんなところで半日も過ごしてしまった。。

  島の先端にあるHenningsvaerという町のシーフードレストランでお食事(^^
ど〜だ〜うまそうだろう\(^o^)/
  Fiskekrogenと言う名のお店です。
本気でうまいぞ。

  スボルバーは世界一の捕鯨基地です。久々に鯨を腹いっぱい食べたくて、工場に買いに行きました。  


一番いい肉でも、1Kg85クローネ、日本円で1300円。めちゃくちゃ安い!

  鯨が手に入ったらガーデンパーティー\(^o^)/焼肉と刺身にしていただきました。
  当然ビールもありますが、北欧ではお酒を買うのに結構苦労します。

  海のホテルは、船の舳先の形をしたバルコニーがとってもおしゃれ。
  海の上に浮かぶホテル&レストランでお食事です。ピザの直径は、60cmはあったぞ。毎日飲んだ暮れの日々でした。

  6月8日快晴 この日はロフォーテンを去る日です。
  これまで一度も雨が降りませんでした。本来この時期の北欧は、雨の多い時期なのですが、山の神様に愛されているくまさんのおかげで、ずっと晴れです。(^^
  ロフォーテンは本当に美しいところです。世界中のカメラマンのあこがれ

と言われるのがわかりますね。
  泊まっていたロルブーにも、沢山のカメラマンが滞在し、朝早くから出かけて夜遅く帰ってくる生活をしていました。
  ほんの少しですが、ロフォーテンの風景をご堪能あれ。「アルプスのてっぺんをちょん切って海に浮かべた」という形容は、だてではありません。本当に美しい島々です。

  オスロに移動するさい、再度立ち寄ったボードーの町での一こま。
  日本のあまりにも軽量な電動車椅子にびっくりした現地のおばちゃんとAさん、日本語とノルウェー語でしゃべっています。どうもこの二人の間は言語を越えているらしい。。\(_ _;)
  また、空港では自転車を持って搭乗手続きしている人がいました。

  オスロ空港から町へはこんな列車が走っています。
  車椅子が来ると係員がスロープを持ってきて専用の場所へ案内してくれます。手馴れていて日本でも見習ってほしいですね。

  6月9日快晴 
  この日は各々に分かれて市内観光です。くまさんや全盲のCさんは電車(トリム)の一日券を買って、ホルメンコーレンジャンプ台へ向かいます。
  トリムには、犬も乗ってくれば、自転車も乗ってきます。日本とは大違いですね。
  別の組は、運良くこの日のロシア戦を、チュニジア人と一緒に観戦することができたそうです。鼻息の荒いチュニジア人も、ロシアに勝った日本を見て「だめかもしれない」って言ったとさ(^^

  世界でもっとも美しいと言われるオスロの郊外にある「ホルメンコーレンジャンプ台」です。北欧ではジャンプとクロスカントリーの複合競技を「キング オブ スポーツ」と言います。

  全盲のCさん、自力で最上階まで登りました。(^^

  奥に見えるのがノルウェー王宮です。なんと触れます。開かれてますねぇ。日本とは大違いです。写真は衛兵と王宮前公園の白熊。なんとなく親しみが。。。(^^

  生まれて初めて泊まった五つ星ホテル、SASパークホテルです。すごいですねぇ(^^
  そして、この旅ではじめて見た日の入りです。ホテルの34階のラウンジから撮りました。明日になれば旅は終わりです。
  沢山のことを学びました。まだまだ改善の余地のあるこの旅ですが、次回も頑張りましょう。
  次回は、話し合いで東欧スロベニア&クロアチアに決定しました。みなさんもいかがですか?

最後に、この旅で見つけた花々と、ノルウェー最後の食事をを紹介します。


<<参加者Kさんの旅の手記>>

  私は2002年6月の北欧の旅に参加したタダの旅好きのオバサンです。
  旅選びのこだわりがあるとしたら、できたら旅は安く行きたい。だから、ONシーズンには行かない。できたら、ただ食べたりエステだったりじゃなく地球の歴史に触れるものでありたい。不思議な自然雄大な自然、建造物をこの足で踏みしめて、そこに吹く風を体で受け止めたい、と、思っている。

  2002年、Highシーズンの3月、私は旅行雑誌やHPを次々と見ていた。GWのあとのOffシーズンに行く旅行を探していました。
  行きたい所はもう山ほど。でも、行けるのは、一箇所だけ。
  かの有名な「地球の歩き方」の掲示板でこの旅を知りました。2度目に掲示板に載ったときに、「前にも載せてたなぁ、この人」と思いHPに飛んでみました。ノルウェーに白夜とフィヨルドを体感しに行くツアーで、障害者の参加もOKという内容でした。
  とにかく、いろいろな方面からの情報を集めていた私は、'くまさん’とやらにメールをしてみました。掲示板から行くHPと、会員用のHPはちがうような事が書かれてあったのです。
  会員用を見たのは、もう4月も半ば、そろそろ行き先を決定して手配を始めなくてはならない頃に来ていました。

  まず、スカンジナビア半島ってどこ? どんな形してたっけ?ノルウェーってどこ?通貨はユーロ?白夜って緯度はどの位?ノルウェーってこんな形してるのか、だからフィヨルドな訳なのね。
  スカンジナビア航空って北欧3国でやってる航空会社なわけね、日本からの便は必ずコペンハーゲンで乗り換えになるわけね。
  オーロラ・ツアーってのはよく聞くけど白夜とオーロラは同じような地域に起きる現象じゃないのかな、白夜ツアーってのは聞かないのは、つまらないからか。
  オーロラ・ツアーで有名なフィンランドとアラスカ、その地域にいくとしたら白夜は見られるか、飛行機の便や宿泊状況、白夜以外の何があるか、現地での移動方法はフレキシブルか、一人で行くとしたらどの位の予算になるのか、、、
そういった事を、考えたのです。

  くまさんの旅は、はっきり言って、私の旅の予算をかなり超えていました。しかし、白夜を見に行くとなると私の得意な北米のアラスカでさえ、そう安くはないしアラスカは他には見るものがないのです。フィンランドは森があるのですがフィヨルドはない。
  インターネットという見えない相手と旅行の契約を結ぶにあたり、このHPの旅程のアバウトさが本物を感じました。
  また、丁度パソコンを新しくした私は、途中からメールができなくなり、くまさんに直接電話で助けてもらうことがあったりしたのです。
  私も一人旅に出る時は、留守宅には乗る飛行機の予定だけです。 いつも、それだけしか決められないからです。この当たりで共鳴したかな。

  それからの、私は、私事で旅行ばかりを楽しみにすごすわけにはいかなかったのですが、着々と参加者同士の相互理解を図ったりと、くまさんは、北欧の旅に向けて準備を進めていってくれてました。

  私の問題は成田への交通手段です。飛行機酔いをする私は、夜行バスは避けたい手段なのですが、時間的に仕方なく夜行バス。
  成田ではHPで見たくまさんの写真が頼りでしたが、車椅子で現れた人に一発で「この人だ」
とわかったんです。迷うことなく見知らぬメンバーに会うことができました。これでひと安心。

  さあ、次は私のパートナーの全盲のCさん。くまさんと手をつないでやってきたCさんは電話で話しただけ。
  初めCさんの気持ちの表現の仕方には驚いたが、これに慣れてしまえばもう大丈夫。私は、もともと世話焼きではない。一人旅が好きなように、人と群れるのはどちらかというと苦手。
  Cさんは、トイレの位置も浴室の使い方もすぐ覚えるとう特技の持ち主だ。買い物も、観光も一緒に行った。なかなかの健脚だ。
  で、私がず〜〜っと一人でCさんを連れ立っていたわけではない。いろんな人がみんなでCさんの手を引いた。時には、一人づつしか通過できない所はノルウェーの人が付いててくれた。

  成田に帰った時、私とCさんは皆より早くイミグレを通過した。荷物の出てくるターンテーブルでCさんを椅子に座らせて荷物を待っていた。
  ン、なんか変!!みんなの服装が軽い。よく見ればここはグアム線じゃないか。どーりでみんなの服装がリゾートっぽかった。「まちがえちゃったよ」とスカンジナビア航空のターンテーブルに移動。
  私は、こういう間違いをこの旅行中何度もやって、Cさんを余分に歩かせたりおお回りさせたりしたけど、一度も嫌な顔もしなかった。

  旅行中は、車椅子や白い杖の人と一緒だから感じることがいっぱいあった。
  日本人は、海外旅行ってーと目一杯のスピードで一分たりとも無駄にはしないっていう人が多いけど、そういう人にはむかないな。
  なんたって乗り継ぎにだって時間がかかる。興味もちがうし、行ける条件もある。誰もが同じように、同じ難度の観光ができるわけではない。ゆったりとした旅になる。
だからJTBのツアーとは全然ちがうよ。

  帰国後も私的用事で忙殺されてる私、おまけにメカおんちでパソコンを使っての作業のとろい私。こんな私の作業も待ってくれて、一枚のCDに皆の写真が収まった。ここにはいろんなノルウェーが写っている。

  結局私は、3月には考えてもいなかった所に行って来た。おそらく、この機会がなかったら一生行くことはなかっただろう。
  又、行きたいなと思ってるということは、行ってよかったということだろう。
  団体ツアーにちょっとしっくり来ない人、是非、一度参加してみて!

  余談だが、最近、駅とか街中で白い杖の人を見ると、この人は今どんな補助があると助かるだろうか、というのが少しわかるようになった。すぐに手を差し出せるようになった。Cさんと数日間だけでも一緒の旅をしたおかげだな。こんな事が、何気にさり気に出来る自分は嫌いじゃない。これが一番の成果と思われる。
                     (終わり)

今度は一緒に行きましょうね(^_^)/〜